服を作ってポーズを取らせていると、特定の回転範囲だけ見栄えが悪いことがあります。
DazStudioにはこれを解決するのに丁度いい、KeyedERCと呼ばれる機能が組み込まれています。
最近作ったコートにこいつを使ったので説明します。
HandのBendで効き始めて角度が50で効果100%になり、それを過ぎると減衰して角度80で0%になります。
この例の組み込み手順は次のようになります。
JCM作成については、ERC Freezeを使う方法がメジャーみたいなのですが、私は手作業で組み込んでいるのでそちらについては分かりません。
まずは左手から。
1.Property Hierarchyペインを開いて、普通にLeft HandのZRotate(Bend)をターゲットにJCMを組み込みます。
2.ドロップダウンリストから種類をERC[Keyed]に変更します。
3.コントロール値をKeysに記述します。
1行目:Key 0:0 お約束
2行目:Key 1:0 効き始めの角度
3行目:Key 50:1 角度50で効果最大。効果値は0(最小)から1(最大)の間で記述します。
4行目:Key 80:0 角度80で効果ゼロ。これにより、角度50を過ぎると適用量が減衰していきます。
特に減衰させる必要がなければ、4行目は不要です。
次に右手。基本は左手と同じですが、角度がマイナスになるので画像のように記述します。
脚を蹴り上げたポーズ(X回転)を例として説明しますと……
まず、ウェイトマップを調整した状態です。見ての通り美しくありません。
いくらウェイトマップをいじっても、直すことは出来ないです。
なぜウェイトマップをいじっても駄目かというと、自動生成されたJCM(pJCMThighFwd_115_L)が悪さをしているからです。
従って、このJCM(pJCMThighFwd_115_L)をモデリングソフトに持って行き、形状を整えて上書きしてやる必要があります。
これで見た目が良くなりました。
これで万全だといいのですが、甘くないです。さて、両脚を上げてみるとどうなるでしょうか。
こうなります。
これは、両脚を上げることによって股の中央付近でJCMの効果が重複するのが原因です。
左脚を上げるなら右半分を変形させないようにすればいいだろう。そう考えて試してみました。
私の結論は、「ものすごく不自然な形になるので使えない」です。実際に脚を上げてみると分かりますが、半分が全く動かないなんて事はありえません。
そこで、両脚を上げた状態を補正するモーフを作ります。
まあ、こんなところでしょうか。
パンツやスカートだと、脚の前後左右と回転左右で沢山の調整JCMを作ることになります。
ついでに作成に手間がかかるものをあげますと……
パンティ、ズボン。股間部分の調整が面倒。
胸部のデザインが複雑な婦人服。乳房の動きや大きさでゆがみやすい。
肩当て等。バンザイポーズで苦労します。
独立したベルト。屈伸で腹の皮と共に伸び縮みします。
つばのある帽子やメガネなど。大量の顔面ボーンの影響を受けます。調整で泣きます。
大体、慣れた頃に次世代のフィギュアが出るので、ずっと七転八倒かもしれません。
]]>SciFi服を作っております。こういうのは作っていて楽しくていいですね。
Genesis2はロングブーツの類いがやりやすいです。
V4だと脚を上げると太腿付近がぐにゃりと波打って大変だったのですが。こちらはZ回転だけJCM補正すれば済みます。
面倒なのは、たくさんいるキャラクター対応でしょうか。
PhotoShopの新機能だろうと思い込み、オプション設定を探したがそんな項目はどこにもなかった。
タブレットドライバも同じだった。
Adobeさん、頼むから大きなお世話はやめてくれ。せめて無効にする手段くらい用意してくれないか。
私は嘆きと苛立ちのあまり、多くの毛根を失った。
そして半年。
昨日になって徹底的に調べてやろうと思い立ちググりまくったところ、意外な事実が判明した。
こいつはPhotoShopの新機能ではなく、Windowsのせいだった! 道理でPhotoShop関連サイトを見ても触れられていないわけだ。
そういうわけで解決できて嬉しいので、方法をメモしておきます。ちなみにうちはWin8.1です。
ControlPanel -> ペンとタッチ -> 長押し設定 -> 右クリックとして認識のチェックを外す
めでたしめでたし
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